バターケーキのおもしろさ

まずはお知らせ。
8月20日〜
京都クラスでレッスンする、パンプキンソーダブレッドの
ご予約を受け付け始めました。
メールをいただいたみなさまには、全て返信させていただいておりますので
ご確認くださいませ。

さて、タイトルにもあります
バターケーキについて。
わたしのレッスンに長く通ってくださっている方は
今まで、色々なタイプのバターケーキを
習ってくださっていると思います。

バターを使うケーキ、という意味でバターケーキと呼びますが
ひとことでバターケーキと言っても
その食感や食べた時の印象は
実に様々だな〜と思います。

しっかり硬めの、目が詰まった感じのものもあれば
ふんわり柔らかくてスポンジケーキみたいな感じのものもあるし
カステラみたいだったり
ものすごくしっとりしていたり
口溶けが良かったり。(逆に、悪いものも。)

今、レッスンで教えている今月のケーキ、オレンジケーキも
“バターケーキなのに柔らかく、さっぱりしている“ と
すでに習ってくださった生徒さんにも好評です。
でしょう〜!おいしいんです、この生地。笑

で、今日のお話。
今、上↑に書いたんですが
“バターケーキなのに柔らかくて、、、“と。

この表現に違和感を感じない人は
“バターケーキって柔らかくないもの“ と
常日頃から思っている、ということですよね〜。

だから“バターケーキなのに” というふうに感じる。


これ、スコーンなんかでも多いと思うんですが
“スコーンはパサパサ、モサモサしているもの“ としか思っていないと
しっとりと口溶けの良いスコーンを食べたときに
“スコーンなのにしっとりしていておいしい“ と
なるわけです。

いやいや、スコーンだって
色々あるんですよ、ってね。
きっと、その人が初めて食べたスコーンがモサモサしていたんでしょうね〜。

昔、初めてカントリーマアムを食べたときに
思いませんでしたか?
クッキーなのにしっとり柔らかい〜と。
わたしは、初めて食べたのがいつだったか覚えていないけれど
多分思ったと思います。笑
だって、それまでは
クッキーってサクサクしたお菓子だと思っていたから。
 
でも、アメリカでは
昔からああいう柔らかいチョコチップクッキーはあったわけですし。

そう、だから
バターケーキだって、いろんな食感のものがあるんです。

先月のタルトケーキなんか
わかりやすい例のひとつ。

いわゆるバターケーキ、とは
全然違った、タルトのような食感でしたよね。
でもこれも、バターを使うバターケーキ。


昔のわたしは
なんでこうなるの? ということを
あまり気にしたり、探ったりせずに
ただ、レシピに忠実にお菓子をつくるだけでした。
もし、作ってみてうまくいかなかったら
あぁ、これはレシピが良くないんだな〜と思って
もう作らない。

なぜ食感が良くなかったのか、なぜそうなったのか、とか
あまり深く考えなかったですし
そもそも若い頃は、すでにその店のケーキとして完成されたレシピを
渡されてその通りに作るので
おいしく焼けるんです。

でも、今のように人にお菓子作りを教えるようになってから
今まで気に留めていなかったことが
気になるようになってきて
それに耳を傾けるようになったら
気になることはどんどん増えて、、、となり
今に至ります。笑

なぜこうするのか、なぜこうしたらダメなのか、
それがわかっていると
お菓子は、とても上手に焼けるようになると思います。





例えば

寒くなると、生徒さんに聞かれる機会が増えるこの質問。

“バターがなかなか室温に戻らないので、ちょっとだけレンジでチンしていいですか。“

答えはもちろん“No” なんですが
ここで
え、いいじゃん、混ぜやすくなるし、、、と思ってしまう人は
ケーキやクッキーを作り始めるときに
なぜバターをクリーム状にすることから始まるのかの“なぜ” の部分を
知らない、ということです。

お菓子ってね、レシピを読むと
ただ材料を次々とボウルに入れて混ぜていくだけ、だったりするんですけど
その裏には
色々な科学が隠れていたりするんですね〜。

今回のレッスンでは
バターケーキの、そんな一面が見えるような説明を少ししています。

説明を聞いている時は
ふうん〜と思うくらいでピンと来なくても、全然いいんです。
お家に帰って、ケーキを食べてみて
あ、柔らかい〜さっぱりしてておいしい〜
バターケーキにもいろいろあるんやな〜と
思ってもらえたらじゅうぶん。