パイ生地の扱い

パイって苦手〜と思っていらっしゃる方、多いんですかね〜。
他のお菓子はお家でやってもうまくいくけど
パイはなかなか家だとうまくできなくて、、、というお声を
よく聞きます。

パイ生地って、作り方は至ってシンプルなんですが
生地をまとめるときの、粉と水分の合わせ方や
ラップでの包み方、
バターの粒の大きさ、
伸ばし方、など
些細なことが出来上がりに影響してきます。

その辺りはどうしても
言葉で説明するのが難しく
感覚的に掴んでもらうしかない、、、という部分なので
私も、毎回パイのレッスンをやるごとに
伝え方を工夫しているつもりですが、、、やっぱり難しい。

でも逆に
あ〜先生が言ってるの、こういうことか!と
なんとなくわかってくると
ものすごく簡単なことなんです、パイって。笑

なので、パイ作りも
アップルパイや他のパイ、いろいろ習っていると
だんだんイメージ通りにできるようになってくるんじゃないかと思います。
この写真は、私が作ったチョコパイです。

京都クラスのレッスンも今日までになりましたので
改めて載せますが
みなさん、ご自分で作られたパイと何が違うと感じますか?

まず、この写真のパイは
なんとなくふっくらしていると思いません?
もちろん、パイ生地は焼いても膨らみませんので
それでふっくらしているわけではないし
特にフィリングが多めに入っているわけでもありません。

レッスンでもしつこいくらい(?)お伝えした、生地の厚さ。

ちょうど良い厚さで成形すると
こんな焼き上がりになります。
生地の厚さは、成形のしやすさ(しにくさ)だけではなく
食べたときの食感にも違いが出ますよ〜。
ある程度の厚みがあった方が、食べた時の“噛んだ感触” がおいしいのです。
薄すぎると、ちょっと食感が頼りない感じ。
でも厚すぎると中まで火が通りにくい。

わかってはいても、つい薄く伸ばしてしまいがちなのがパイ生地です。
気をつけましょう〜。
そして、伸ばすときの力加減も実は
大事なんです。

パイ生地にもいろんなレシピがあると思いますが
私がレッスンで教えるものはたいてい、そうかたい生地ではありません。

なので、ものすごく力を入れなくても
スーーっと伸びるはずなんです。

それなのに、余計な力を入れて伸ばそうとすると
生地が台にベタ〜っとくっついてしまったりします。
そうすると
“あ、くっつかないようにしなきゃ!“ と
余分な打粉をたくさん使うことになる。
結果、生地はとても粉っぽくなります。

生地を大の上で伸ばす時、くっついたら困るので粉をはたきながらやってください、とは言いますが
この時に使う粉はあくまで
分量外の粉なんですね。
だったら、少なくて済むのなら少ない方がいいんです。
でも、打粉は少ない方がいいんですよ、と私が言ってしまうと
みなさん、できるだけ使わないようにと気をつけるので
台にくっついてしまいます。

台にくっつかなくて、でも使いすぎていない。

そのちょうどいい塩梅って
やっぱりこれもまた、感覚的なところなのです。
これはプレーンバージョン。

今月のチョコパイのレッスンなんかはまさにそうなんですが
お菓子作りって、意外と頭を使います。
手を動かして作るものだけど
手よりも頭の方を使うと言ってもいいくらい
考えながらやるもんなんです。
(慣れてくると頭で考えなくても手が動くようになりますが)

そんなこと言われたらやる気失せるわ〜と思われるかもしれませんが、笑
でも、実際そうですからね〜。

こうした方が上手くいくんちゃうか、とか
なんでここはこうしなきゃいけないか、とか
考えることは、成功の第1歩だと思います。
お菓子作りの工程は
理にかなっていることだらけなのですから。

ただ丸く型抜いてチョコを包んだだけのチョコパイですが
1度目より2度目、2度目より3度目。
自分なりにコツを掴んで、チャレンジしてもらえたらと思います。

チョコばかりだと飽きるので
ぜひ、プレーンの生地で甘くないパイも焼いてみてください。
バリエーションはいくらでも。
楽しくなってきますよ〜。