America log 9

きのうの続き、Mollyのタルトの話。

 

キッチンを見たいというわたしに

快くOK!と言ってくれた、Molly。

"後でここにメールして!住所を送るから。"と。

送られてきた住所を調べて、どのバスに乗ればいいのか、

バス停からどう歩いて行けばいいか、確認しました。

 

あまりゆっくり話す時間はないから15分くらいだけどいい?と

言われていたので、

こりゃー遅刻したらあかんぞ、と思って

約束の時間の30分ほど前に、彼女のキッチンの近くまで行き

コーヒーショップで

Mollyに聞きたいこと、をノートにまとめたりして。

こういう緊張感は、なんだかひさしぶり。

 

店舗を持たない彼女は

週に2日、金曜日と土曜日だけ、このシェアキッチンを借りて

週末のマーケットで販売する分と

卸しているカフェに納品する分のタルトを

焼くのだそうです。

たった2日で全部作らないといけないので、大変!

なのに、私を迎え入れてくれたMolly。

 

Mollyの他にあと2人、働いている女性がいました。

私が訪ねたのは金曜日の朝で

大量の、タルトの生地を仕込んでいるところでした。

Mollyはキッチンの中にある機械や道具について説明してくれて、

私がした質問にも、丁寧に答えてくれました。

 

焼き菓子にもいろいろある中で、なぜタルト専門にしたのか、とか

成形のやり方、とか

使っている粉について、とか

 

こうやっていろいろ質問されたときに

言葉に詰まることなくスラスラ答えることができるのは

自分がやっていることの中身を

ちゃんと理解して、考えて、信念を持ってやっている証だと思います。

 

 

 

彼女たちは、

手は動かしながらも

おしゃべりをしたり、とても楽しそうに働いているな~と

わたしの目には映りました。

 

好きなことを、仕事にする。

人生において、これが最も理想的なことかもしれないけれど

どんなにそれが好きでも

仕事となると、ルンルンと楽しいことばかりでも、ないわけです。

きっと、世の中の多くの人がそう感じていると思います。

実際、わたしも

大好きなアメリカンケーキの仕事に携わって11年ほどになりますが

ずーっとずーっと楽しいばかりではなかったり。

でも、その道でやって行こうと思うなら

つらい修業は当たり前、しんどくても我慢しなきゃ、

という考え方は

正しくないよな~と

今になって、思います。

それが仕事であったとしても、やっぱり楽しいほうがいい!

自分が心から楽しんでやっていると

それはちゃんと周りの人たちに伝わって、

自然と伝染していくんじゃないかと思うのです。

 

Mollyと話していると

彼女が自分の仕事にとても誇りを持っているのが伝わってきたし、

なにより、すごくhappy!に見えました。

あの時食べたタルトの味を思い出しながら

ミックスベリーガレットを作ってみようと思っています。

 

↑ ミニサイズのタルトを焼くときに使う型